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オーストリア航空のDHC-8-Q400に搭乗:プロペラ機の魅力

オーストリア航空ボンバルディアDHC-8-Q400に搭乗しました。
日本で乗ってみたいと思っていた機種ですが、こちらで乗ることができました。

往復で2回乗ることができ、満足したフライトでした。
興味が湧いて調べたことを混ぜて搭乗記を書いてみます。

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搭乗記:オーストリア航空のDHC-8-Q400

ウィーン・プラハの路線で搭乗しました。
一応ビジネスクラスの設定もあるようです。

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出典:オーストリア航空

座席数は76
シートピッチは76.2 cmです。
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座席はやや狭いものの、シートは意外と快適で、
飛行時間も1時間と短いため、気になりませんでした。
サイズ的に大型バスに乗っている感覚に近いものがありました。

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機内持ち込みの手荷物は通常より大きさに制限があり、預ける必要があります。
乗り込む直前に直接預けている人も結構いました。

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1時間と短いこともありますが、お水だけ提供されました。

これで搭乗記は終了・・・
ではないのですが、以下、脇道にそれてこの機材について紹介します。

日本でのDHC-8-Q400

JALグループの琉球エアーコミューターRAC
ANAウイングスが運用しています。
JALグループの日本エアコミューターJAC)も2018年11月まで運用していました。)

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出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

琉球エアーコミューターQ400CC(カーゴコンビ)という貨物室を拡充したタイプのローンチカスタマーでもあります。
(参考:DHC-8-Q400CC | 琉球エアーコミューター

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出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

DHC-8-Q400とは

(参考:Paris Air Show 2019 EN | Bombardier Commercial Aircraftなど)

デ・ハビランド・カナダ(de Havilland Canada)が開発した、双発のいわゆるプロペラ機

同社がボンバルディア社に買収された後、DHC-8-100,-200,-300を改良したのがQ400です。

ボンバルディアDHC8-Q400」や「ボンバルディアQ400」、単に「Q400」と表記されることもあり、
ダッシュ8」という通称も国内外で定着しているようです。

「Q」とはQuietの頭文字で、静音性を工夫したプロペラ機

Active Noise and Vibration Suppression (ANVS)という、
「機内のマイクが騒音を拾い、そのデータを元に能動的に騒音と振動を緩和させる装置」と
「吸音素材の導入、反響を抑えるための構造の改善など設計から見直した」のが特徴です。
機内で感じる音と振動が比較的少なく、快適性をジェット機に近づけたということですね。

ターボプロップ旅客機としては高速

巡航速度が最大667 km/h、と競合のターボプロップ機ATR72の最大526 km/hよりも早くなっています。
速度なら当然ジェット機のほうが早いです。しかし距離が短ければさほど差がありません。

短距離のコミューター機

30分から1時間強の飛行時間の路線で運用されています。
ターボプロップ機は、
特に滑走路の短い小型空港や、離着陸の低空飛行時に騒音の配慮がいる空港で、
ターボファンエンジンのいわゆるジェット機よりも優位性があると言われています。
(騒音に関して参考:環境白書

リージョナルジェット機と競合?

エンブラエルERJボンバルディアCRJ、開発中の三菱MRJも、
座席数は同程度の機種があり、最新のエンジンでは騒音を抑えることにも成功し、
Q400から置き換えられています。
それでも航続距離の違いや燃費、離島などの小型空港への適性から、
短距離特化として住み分けできるとの考えもあるようです。
(参考:仏ATRのCEO、ターボプロップ機の優位性強調 鹿児島でMRO展開視野に

DHC-8-Q400の魅力

旅客機になんとなく興味が湧いたころにたまたま目にした記事で
初めてQ400の存在を知り、乗ってみたいと思っていました。
現在はこちらで閲覧できます。
プロペラ機でゆく”空中散歩”日本列島横断旅行|国内旅行(ツアー)|ANA SKY WEB TOUR

以下、搭乗記に戻り、実際に乗ってみての感想です。

音と振動が楽しい

機内の音と振動を抑えられたとはいえ、
ジェット機にはない音と振動を感じられました。

youtubeにも色々と動画があがっていますが、最近聞いたこちらを紹介します。


機窓の景色を楽しめる

ジェット機よりも低い高度で飛び、主翼が胴体上部ある高翼機なので、
雲の上とは違う景色が存分にみられます。

(いい景色が撮れなかったので写真は割愛)

飛行機を感じられる

変な表現ですが、

  • 沖止めで全体やエンジンをみれる、
  • 数段しかないタラップから乗り込む、
  • プロペラの音と振動を感じる、
  • エンジン下部の着陸装置の格納・展開をみれる、

などなど、飛行機そのものを味わうことができて、興奮しました。

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離陸滑走

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ランディングギアの展開

DHC-8-Q400の事故

着陸装置といえば、Q400ではたびたび脚周りでのトラブルによる胴体着陸事故が起きています。
スカンジナビア航空では度重なる機材トラブルで運航を取りやめています。

ボンバルディア機の航空事故とインシデント - Wikipedia
予約後に改めてこのトラブルを読んで、若干不安になりました。

ANAによる改善の取り組み

ANAでも胴体着陸事故が発生しましたが、こちらの特集では
「絶対に良い飛行機にしてやる」特集・Q400を鍛え直した男たち(1)(無料会員登録で全部読めます)
事故の前後で、ボンバルディアの製造や整備も改善されていったと記事にされています。

ここ数年では機材が原因の目立ったトラブルはないようだし、
他社での運用でも大丈夫だろう、とは思いますが、
上の記事を素直に読むと、日本の航空会社の整備ならより安心だろうと思いました。

オーストリア航空では順次退役

オーストリア航空の18機のQ400の大部分は、統合したチロリアン航空の機材で、
機齢は20年近くになっています。
2021年までにエンブラエルE195やエアバスA320に置き換えるとのこと。
(参考:Austrian Airlines to phase out its Bombardier Q400s by 2021

私が搭乗した便も徐々にエンブラエルに置き換わっているようです。

おわりに

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飛行機に乗ること自体を楽しむという意味ではとてもよい体験でした。
またターボプロップ機に乗ってみたいです。

ANAウイングスでは2017年に3機追加受領して24機運用、
琉球エアコミューターRAC)で運用中の5機は2016年、17年に受領しています。

いつか日本で乗れるのを楽しみにしています。

『乗ってはいけない航空会社』(杉江 弘)を読んでみた

雑誌やテレビで取り上げられる“エアライン・ランキング"を信じてはならない――。
“ジャンボ機乗務時間世界一"の元JAL機長が、安全性のランキングは実態と大きく違うと警鐘を鳴らす。

杉江弘『乗ってはいけない航空会社』(双葉社、2016年)を読んでみました。

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ちなみに私が航空会社を選ぶ際、就航地はもちろん、
マイル獲得やステータス、料金、サービス、機材の他に、
好みや印象などで決めています。
今年はステータス修行をしているので、その効率が優先になっています。

では安全は?ということに興味が湧いていたのですが、
この本はそれに応えてくれました。

本書は、航空会社を選ぶ場合、何はともあれ安全だけは譲れないと考える方々に向けて書かれたガイダンスの一つであります。

構成:パイロットの視点での分析+α

  • 第1章 ”安全性ランキング”は信用できるか?
  • 第2章 パイロットの深刻な技量不足
  • 第3章 自動化・ハイテク化がもたらす危険

最初の3つの章では、
過去の事故の内容を元機長の視点で分析しながら、
機材年齢や事故「率」などをもとにしたランキングの不十分さと、
パイロットの技量や会社の経営方針の重要性を説明しています。

  • 第4章 国・地域によって異なる安全度~アジア篇~
  • 第5章 国・地域によって異なる安全度~ヨーロッパ・ロシア・オセアニア篇~
  • 第6章 国・地域によって異なる安全度~日本篇~
  • 第7章 ”奇跡のフライト”はなぜアメリカの航空会社でばかり起きているのか?

続く4つの章では地域ごとに国、航空会社の安全性を個別に、
やはり事故の分析を通して評価しています。

国の当局の安全に関するルールや意識、さらに国民の安全文化なども考慮にいれています。
大雑把に言うと、章が進むにつれて高評価な航空会社が増えていく構成になっています。
(日本はヨーロッパと同程度)

  • 第8章 テロの危険を最小限にするために
  • 終章 本当のエアラインランキング

終わりの2つの章では、政治情勢を加味して空港についても言及し、
最後には著者によるベスト20とワースト15の航空会社が挙げられています。
いくつかの航空会社は地域の傾向から外れて高評価だったり低評価だったりもしています。

参考になったこと

ひと通り読むと、以下の著者のまとめがよくわかります。

安全性に大きく影響を与えるのは、
パイロットの判断力と技量
管制官の技量
③空港の設備
④経営者の安全への理解
⑤スタッフの労働環境
⑥運輸当局の知識と航空会社への指導力
⑦国の安全文化

であり、機材の古さはほとんど関係ないということです。
上から順に重要という見方だと思います。

ちなみに、アメリカの大手アメリカン、ユナイテッド、デルタLCCサウスエスが最高評価、
ヨーロッパではルフトハンザ北欧英国、そしてライアンエアーが高評価になっています。

感想:読み方に注意かな

パイロットとしての経験からの事故の分析と、
その背後にみえる会社の方針と労働環境などが安全に与える影響の考察は、
旅客機によく乗る機会がある人には、一読の価値があると思いました。

ただ、特に上のまとめの後半のポイントは、評価項目になること自体はわかるけれど、
この本の記述では各社の評価をつける根拠として、やや心もとない気がしました。
特に国の安全文化については、著者の見聞を根拠にしているので説得力が弱い印象です。

著者の評価の視点を学び、どの情報を参照すればよいかを考えるために、
有益な本だと思いました。

実用的な読み方をするなら

航空会社の安全について興味があれば、最初の3章を読んで、
どのように過去の事故から安全性を推し量るかの著者のポイントを知っておく。

そして実際に乗ろうと考えている会社について、
4~6章の過去に起こした各社・各国の事故や傾向についての著者の分析を参考にする。
ただし一部、曖昧な根拠による評価もあるので参考です。

さらに直近の事故を調べてみるとよいかもしれないですね。

この本を読んでから、
よく利用したり、利用を検討している航空会社や、機材の事故について調べ、
安心したり、若干不安になったりしました(笑)
この航空会社は避けたいな、許容範囲だな、信頼できるな、と思い描きやすくなりました。

航空会社を選ぶとき、サービスや利便性とともに、安全性も含めて総合的に決めたいですね。

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